SL2W8 悪戦苦闘記録 98/11
目指せ600MHz
SL2W8 40週コスタリカ
序章
98年8月終わり頃、「最近のPentiumIIは妙に耐性がある」との情報が流れ始めた。デシューツコアの652。266MHzと300MHzはそれぞれ400,450MHzは余裕らしい。
当初は500MHzを越えるとL2が勝手にOFFになるとの話だったが、10月に入ってからは「558MHz使用!」「600MHzでDOS起動」等の声が聞こえ始めた。
これは1つ買ってみるしか!(笑)
購入
狙い目は37週以降の300MHz。リテールは純正FANが邪魔なのでバルク。しかし、みな考える事は同じ、秋葉原を徘徊してもなかなかお目にかかれない。あってもプレミア価格。
絶対必要な訳でも無いので、暫く様子見していたら近所の店に運良く入荷。
購入時にロットNo見せて貰ってもいいが、どうせL2は何が入ってるかは分からないのでここは一発勝負。運良く評判の良い40週コスタリカ製。スキップしながら帰途につく(嘘)
検証開始
検証機材はTekram P6PRO-A5,RivaTNT AGP。使用したファンは下記
Wファン。同時に回る。高さはかなりのもの。
2.0V ド・ノーマル状態
504MHz SuperPI 104万桁(以下π) OK,FinalReality(以下FR)ハング
558MHz 画面出ない
まずまずの感触。期待がふくらむ。セロハンテープによる端子マスク開始。
2.4V
504MHz Win起動中ハング
558MHz DOS起動、L2 OFFでWin起動、πOK
600MHz BIOS画面まで
なぜか504MHzで動かなくなった???電圧が高すぎる(冷却が足りない?)?のか?
ここでIDEのHDDをやめ、DC390+IBM DORSに変更
2.2V
450MHz FR OK
504MHz π OK、FR NG
558MHz DOSまで
あまり効果がない。更なる電圧アップを敢行
2.6V
2.2Vと変化無し。効果見られず。電圧は2.2Vと決定。
途中結果
以上からL2が根性無いと思われるが、L2自体発熱は無い。3.3Vは最初から3.4V以上ある。CPUの冷却不足か?しかし、こちらもそれほど発熱は無い。謎は深まる。
石割り
思うような結果が得られない為、非常手段「石割り」の出番
注:ここから先は真似しないように。CPUをドブに捨てる事になります!!!!!!!!!!
まずプラスチックケースを外す。ケースはピン4本で圧入されている。ネジなどは無い。スクレーパを隙間にコジ入れて広げる。順調に行くように思えるが、最後の1ピンが外れない。普通にやってたら絶対外れないのでは無いだろうか??と、思えるくらいキツい。ケースが割れるのを覚悟で手で「バキ」と外した。怖かった・・・
外すとCPUの裏側が見える。真ん中に見えるのはTAG−RAM。
周囲に4本のピンが生えており、板バネで固定されている。この板バネを外せば終わりだが、事前の情報ではここでミスを犯し、チップ部品を飛ばしてしまう、基板に傷を付ける等してCPUを昇天させてしまうそうだ。
板バネ自体はアルミで非常に柔らかい。どうと言う事は無い。ラジペンと細いマイナスですぐに外れた。どこで失敗するのか分からない。一応昔修理屋やってたのが勝因かも。
板バネを外すと全部がバラバラになる。一応グリスは丁寧に塗ってあった。しかし、いかんせんCPUのダイ部分がデコボコ。4隅が盛り上がっており密着等はほど遠い。
ここで必殺「砥石研磨」
CPU部分以外をテープでマスキングし、丹念に砥石がけ。ポイントは力を入れない、水分を基板に付着させない。じっくり慎重に。平面が出たかどうかはヒートシンクを密着させ、光にかざして検査。
その後アルミプレートだけ装着し、プラスチック部品は外したまま。
周辺電圧アップ
L2に喝を入れるには3.3Vのアップが不可欠。電源内のトリマを回して調整するのが一般的であるが、生憎調整不可能であった。5V、12Vはぐんぐん上げられるが何故か3.3Vは変化無し。断念。
ペルチェ冷却
5V印加の生ペルチェを装着したが全く効果、変化無し。
B21マスク
使用したマザーには66系、100系で変更しなければならないジャンパが存在する。当初はこれがB21の制御と推定していたため、B21には手を付けていなかった。
ここまで安定しないのはこのジャンパはAGPのクロック制御だけで、L2レイテンシの制御は行っていないのでは無いか?と推定。
B21をマスクしてみたが、やはり効果無し。L2レイテンシも「3」のまま。
結果
ここまでいろいろやってみてどうも挙動不審な点がある。クロックに関係無く、FRがハングする。試しに定格300MHzでやってみたが、数回ループでハングアップ。今の所何が原因か分からない。
以下後日